
ネタ蒔き時の枕草子 第七話「参戦!GP千葉 ~大洗デルバー爆誕~ 」
先週末に行われた『グランプリ・千葉2016』は控えめに言って最高のイベントだった。会場は広々としていて空間的な余裕があったし、連戦の合間にエネルギーを補給するための軽食が無料で提供されたのも素晴らしかった。ドリンクのレパートリーが事前の予想よりずっと多く、ペプシでキめたいタイミングやお茶で落ち着きたいタイミング、純粋な水分補給として水を必要とするタイミングと言ったすべてのシチュエーションに対して完璧に対応してもらえた事は感動的だったよ!なにより今回から導入されたスマホアプリによるオンラインペアリングの自動通知機能はかけがえのないものだ!これによってプレイヤーはペアリングボード前の大混雑から解放され、イベントの進行速度も飛躍的に向上した。一日目が21時前に終了するなんて想像もできなかったよ!12000円という参加費には最初良い印象が無かったけど、このイベントを体験した今となっては全くもって適正な価格だと思うし、今後もこのクオリティが維持されるのであれば同等のコストを支払う事に抵抗は全くないね。来年以降の国内GP開催が今から待ちきれないよ!
さて、そんなGP千葉だけど、自分は最初から参戦する予定では無かったんだ。上に書いたように最初は12000円という参加費を割高に感じていたし、それ以上にここ最近レガシーから離れていたという事が大きかった。ローテーションが無く膨大なカードプールを有するレガシーでは何よりも熟練が勝利のために重要になる。才能やイノベーションの必要性を否定する訳ではないが、それ以上に日々の欠かさぬ練習が重要になってくるのがレガシーというフォーマットだ。しかし現在の自分にはその積み重ねが圧倒的に不足しており、仮に参加したとしても良い成績を残す事はとても難しいだろうと考えていたんだ。だから参加を予定している周りのプレイヤーのサポート役として、練習に付き合う程度で自分のGP千葉は終わるはずだったんだ。だけどマジックというゲームは本当に恐ろしいもので、どんなにやる気が出ない時でもデッキを回していく内にまた遊びたくなってしまう。今回も調整に付き合ってデッキを回していく内にGP千葉へ出たいという気持ちが少しずつ大きくなっていったんだ。本番前週に開催された大会を5-0でフィニッシュし、その大会にたまたま来ていた市川ユウキプロからも「ぜひ出るべきだ」と後押ししてもらったこともあって、GP千葉参加を決意したのさ!
こうしてGP千葉に出場する事が決定した訳だけど、そうなると大変なのがデッキの準備だ。自慢じゃないが自分のデッキ構築センスはひどいもので、緻密に計算された芸術品のようなデッキをガラクタに変えてしまうのが得意技だ。それを十分承知していたため、今回は丁度調整に付き合って回していた四色デルバーを使う事にしたのさ。このデッキは先ほど5-0したデッキがベースになっていて、非常に大きな手ごたえを感じていたんだ。
自分はもともとタルモゴイフのようなファッティが大好きなのでこのデッキの《グルマグのアンコウ》は本当に最高のカードだと思ったね。確かに探査コストは軽いものではないけれど、それでもなお4枚の採用は確実だと感じたので調整相手であるすずめ(中谷真司)と相談して増量する事にした。それ以外の変更点としては《もみ消し》を入れるかどうかで、自分はもみ消しよりも追加の除去とクリーチャーが欲しかったんだ。すずめは《もみ消し》マニアなのでこの点では真っ二つに意見が分かれ、最終的にはそれぞれが好みのタイプを使う事にした。このデッキは自分が所属しているエンダルゲームス内のレガシーコミュニティでも非常に好評で、何人かのプレイヤーが相乗りする事になった。そしてコミュニティ一のネーミングセンスを持つ大坪がこのデッキに「大洗デルバー」という最高にcoolでhotな名前を付けてくれたのさ!戦場をアンコウが乱舞するこのデッキにこれ以上の名前はないだろう?ガルパンはいいぞ!
これが最終的に使う事にした75枚だ。大本のレシピがすでに高い完成度だったので、そこからの変更点はそう多くはなかった。《瞬唱の魔道士》はメインボードではさほど強力ではないカードだが、効果的な軽量対処カードが増えるサイドボード後で非常に強力で、特に《外科的摘出/Surgical Extraction》との組み合わせは墓地系デッキに息の根を止めるには十分すぎるだろう。《思考掃き》の三枚目は意見が分かれる所だろう。キャントリップ付きの《暗黒の儀式》になるかただのサイクリングで終わるかの博打要素が高いカードだが、《渦まく知識》とのシナジーを評価して三枚目の採用に踏み切った。デルバーを使っていると土地は2~3枚もあれば十分なので、ブレスト後のリフレッシュをフェッチで行うと余分なセットランドをしてしまう事になりがちだ。そんな時に《思考掃き》があれば余計なリソースを失う事もなくなる。《稲妻》を採用しているデッキに《見栄え損ない》が入っている事に違和感を覚える人も多いだろうが、これは重要な1枚だ。メインデッキに6枚目の除去を必要としていて、一番最初に試したのは《突然の衰微》だった。しかし先手1ターン目の《死儀礼のシャーマン》を処理出来ない事と、《Underground Sea》+《Volcanic Island》から始めるこのデッキにおいて《Tropical Island》は三枚目以降に置く土地であり、それはすなわち《突然の衰微/Abrupt Decay》自体が実質3マナのスペルになってしまっている事がミラーマッチやデスタク、バーン戦において大きく影響していたため不採用となった。後手を取った時でも《死儀礼のシャーマン》や《ルーンの母》を対処できる事が求められたため、6枚目の除去は1マナである必要があったんだ。《噴出の稲妻》のようなショック亜種を選ぶ事も出来たけど、BRとRRでは同一ターンに捻出する難易度が段違いである事、そしてフェッチ1枚のハンドであっても自分の《死儀礼のシャーマン》と両立出来る事から《見栄え損ない》に白羽の矢が立ったという訳だ。本戦では実現しなかったけど、アンコウ同士のにらみ合いで一方殺が取れる事もちょっとした利点ではあるね!サイドボードのカードは定番の組み合わせだけど、《暗黒破》はちょっとしたサプライズ枠で、《思考掃き》とのコンボで一瞬にして墓地にカードを6枚追加出来るのはワクワクするだろう?
そして迎えた当日・・・
■R1
WBRGリアニメイト 〇〇
最近はやりのBRリアニメイトにタッチカラーをしたバージョンだった。初動が恐ろしく早い代償に二の矢が無いデッキでもあるので、比較的くみしやすいデッキと言える。
■R2
BRリアニメイト ×〇×
などと書いていたら早速土がついてしまった!有利なマッチアップとは言え常に《意志の力》を引ける訳ではない以上、リアニメイトの速さは大きな脅威だと言えるだろう。
■R3
デスタク ×〇〇
《霊気の薬瓶》が機能するか否かで難易度が全く異なるマッチアップ。サイド後は《真髄の針》が非常に強力であるため戦いやすくなる。
■R4
エルドラージ ×〇〇
1ゲーム目は問答無用の先手1ターン目チャリス。対エルドラージ戦では如何に早くデルバーを裏返すかが重要なので、青への信心は高めておきたいところだ。
■R5
グリクシスデルバー 〇〇
ミラーマッチでは一方的な土地ハメパターンを除けば概ね除去り合いの消耗戦となる。そしてアンコウ4枚の我らが大洗デルバーはそんな消耗戦が大得意なのだ。ガルパンはいいぞ!
■R6
エルドラージ ×〇×
1ゲーム目は再びの先手1ターン目チャリス。3ゲーム目は先手1ターン目チャリスを意志の力で弾いてからの2ターン目チャリス。この辺りで《古えの遺恨》を入れなかった事を後悔しはじめたw
■R7
URデルバー 〇×〇
果敢連打による頓死が怖いが、それさえ無ければやはり戦いやすいデッキだ。2ゲーム目こそ《渋面の溶岩使い》を処理できずに落としたが、安定して戦えた。
■R8
マーフォーク 〇××
《真の名の宿敵》によってアンコウが止まりがちだが、殴れないのは相手も同じなのでデルバーで空から殴り続けるマッチアップ。2、3ゲーム目はもはやお決まりとなった2ターン目チャリスでの死。《古えの遺恨》が欲しくて欲しくてたまらない!
■R9
URデルバー 〇×〇
3ゲーム目にアンコウが3枚来てしまいさすがにダメかと思いきや土地も5枚まで伸びて三連打出来てしまったw
6-3で一応の二日目進出!
■R10
4Cデルバー 〇〇
やはりアンコウ4枚が光るマッチアップ。新時代のタルモは君だ!
■R11
白単ストンピィ ×〇〇
1ゲーム目は先手1ターン目チャr(ry
■R12
土地単 〇××
《The Tabernacle at Pendrell Vale》をギャンブルで持ってきたところを的確に落とした所がハイライト。幽霊街4枚体制はやめちくりー
■R13
ミラクル ××
《血染めの月》を弾いたら《基本に帰れ》が出てきてアババババb
ここで体力が限界にきてドロップ!おじさんに15回戦はつらいのじゃ
最終成績8-5は急ごしらえの結果にしては十分御の字!デッキもかなり強くて特にメインボードはいじる所が無いんじゃないかと思ってしまうほど。ただしサイドボードに《古えの遺恨》を取らなかった事だけは大失敗!さして役に立たなかった《暗黒破》との入れ替えでサイドに用意する事は確実かな。
という訳でGP千葉を満喫した週末でした!
来年は国内レガシーGPは無いけど、2018年以降の開催に期待して、これからもレガシーを楽しんでいきましょう!
そして何より重要なのは・・・
ガルパンはいいぞ! おわり