
地獄の『共闘』戦線
やぁ、ぶるじょわだ。あけましておめでとう。今回は『霊気紛争』がでる前に「共闘」の話をしよう。まずこれが僕の考えた†環境最強†の「共闘」だ。カードを引いてマナソースをアンタップする。とてもつよい。

意外にも共闘は「共闘」能力を持ったクリーチャー同士でないとできないようだ。ここでもコミュニケーション能力の有無が問われてしまうのか…
さて、茶番はこれぐらいにして本題にはいろう。「統率者2016」には15体の共闘持ちクリーチャー、つまり105通りのコンビが収録されたが、組み合わせることで何かがおこりそうなコンビは案外少ない。アーティファクトを並べてパワーをあげた《綱投げ、アキリ》で殴って、《簒奪者、イクラ・シディーキ》で3点ゲイン!のようなもう少し歩み寄ってほしい組み合わせが大半を占めるのだ。
誰だってベタベタした磁石を食べたくはない。105通りのコンビの中から数少ない卵かけごはんのようなベストパートナーを探す必要があるのだ。特に統率者同士のシナジーがない組み合わせでも色が増えるだけで十分といえば十分だが、それなら最初から《スリヴァーの女王》あたりを統率者にして全色の強カードを詰め込むなり、むかつき(※)を打つなりしたほうがよいだろう。やはりせっかく共闘するからには両者の長所が引き立ち、双方に出番のあるような組み合わせを目指したい。そんなわけで105通りの中の上位と思われる組み合わせをいくつか見繕ってみたが、どうにもあと一歩物足りない。共闘する前提で作られたカードはどうしても単体で統率者を張れるカードと比べてカードパワーが落ちるのだ。そしてこれがその物足りなさを解消するべく組んだデッキだ。
※むかつき 適当な5色のクリーチャーを統率者にし、ありったけのチューターとリチュアルを詰め込んだ上でデッキの総マナコストを50前後に抑え、《むかつき》を打つコンボデッキ。強いが飽きやすいと評判。
気づいてしまった。2人の共闘で物足りないのなら共闘する人数を増やしてしまえばいいのだ。
統率者戦には意図せず良くも悪くも噛み合ってしまう統率者の組み合わせがいくらか存在する。最初にあげたエドリックとデリーヴィーの他にも、《トレストの使者、レオヴォルド》と《三日月の神》・各種チェインコンボ系統率者と《アウグスティン四世大判事》などがわかりやすいだろう。
では最初からゲームの卓に噛み合う相手がいる前提でデッキを組んだらどうだろうか。今回のデッキは卓に《トレストの密偵長、エドリック》がいた場合に猛烈に噛み合うデッキ、つまり《ジャムーラのシダー・コンド》《クルフィックスに選ばれし者、キデール》対戦相手の《トレストの密偵長、エドリック》の3人で共闘することになるのだ!
■共闘の構図
《ジャムーラのシダー・コンド》は小さなクリーチャーで殴るデッキ、《トレストの密偵長、エドリック》や《浄火の戦術家、デリーヴィー》を統率者に据えたプレイヤーからすればわざわざプレイしてくれてありがとう!とお礼のひとつもいいたくなるようなものだろう。まずはこっちからプレイして印象を良くしよう。こちらも《トレストの密偵長、エドリック》の効果でカードを引けるはずなのでカードを引きまし、互いの統率者を守り合うぐらいがベストだ。
気持ちよくカードを引いたエドリックはまず間違いなくタイムワープ連打に入るので、ここで共闘を打ち切ろう。バージョンによってはプレイヤーを対象にとっていないものもあるが、基本的にタイムワープ系呪文はプレイヤーを対象にとるので対象変更系呪文が有効だ。自前のタイムワープとエドリックのタイムワープで先にワープ連打モードに入ってしまおう。
ワープ連打モードに入ったら満を持して《クルフィックスに選ばれし者、キデール》を出し、《トレストの密偵長、エドリック》の能力で引いたカードでマナも増やしてしまおう。《ジャムーラのシダー・コンド》で攻撃を通し、《トレストの密偵長、エドリック》でカードを引き、《クルフィックスに選ばれし者、キデール》でマナを加速…これが次世代の共闘、3人共闘だ!
■3人共闘のポイント
3人共闘を目指すにあたり、一番気を付けなくてはならないことはただの優しいおじさんで終わらないようにすることだ。エドリックを程よく甘やかし、《悪名高き群れ》のようなエンドカードは確実に弾いていこう。また、エドリックのデッキには当然エドリックが勝つために必要なカードが入っているので、《知識の搾取》や《袖の下》などで利用してから倒すべきだ。もちろん自分のデッキにも《トレストの密偵長、エドリック》はちゃんと入っているのでうまいことプレイすることができ、共闘の必要がなくなったら早めに決別してしまうのもいいだろう。お前はもう用済みだ。ここで消えてもらう。
そんなわけで今回は新しい「共闘」の形を提案した。《トレストの密偵長、エドリック》と3人共闘する場合は《ジャムーラのシダー・コンド》は鉄板だと思うが、キデールはタイムワープ連打中の打点が上がり色が増える《激情の薬瓶砕き》でもよいかもしれない。また、共闘持ちクリーチャーでなくとも人気の統率者と噛み合う統率者は必ず存在するので、自分の周りの環境をみて色々な共闘を考えてみるのも面白い。誰だってドラゴン統率者3人の卓には《ジャンドの暴君、カーサス》で参加して4人共闘!したいのだ。それでは今年も統率者戦、やっていきましょう。