
ぶるじょわ式交渉術
やぁ、ぶるじょわだ。今回は統率者戦の醍醐味の一つ、他プレイヤーとの交渉に注目したデッキを紹介するよ。では早速デッキを見ていこう。
痩せたクリーチャーが延々と並ぶ何がしたいのかよくわからないリストを確認したら、早速《通行の神、エイスリオス》を戦場に出して交渉をはじめよう。ちなみに信心を達成しクリーチャー化されることはほぼないぞ。
◆交渉術入門編
交渉を成立させるためにまず必要なことは、相手に得をしたと思わせることだ。エイスリオスが支払いを求める3点のライフは、前回までの記事でも散々触れたように対したデメリットではない。そのため、能力の対象に選んだ対戦相手が「そのクリーチャーカードが手札に戻っても問題がない、むしろ戻ってくれて有難い」と思うような状態にしなくてはならないのだ。
例をあげよう。プレイヤーAの墓地に《核の占い師、ジン=ギタクシアス》があり、あなたの場には《通行の神、エイスリオス》と《封じ込める僧侶》がいる。Aは何らかの手段で《核の占い師、ジン=ギタクシアス》を場に出したくなったのか、《封じ込める僧侶》に除去を使用した。この場合あなたがエイスリオスの対象にとるべきは残りのプレイヤーB・Cのうちリアニメイトやトークン戦術を採用していなそうなほうだ。自分は何も害を及ぼさないが、対戦相手には致命的な生き物である《封じ込める僧侶》を喜んであなたの手札に戻してくれるはずだ。
そう、エイスリオスは一部の対戦相手にだけ刺さるカードならほぼ確実に手札に戻すことが出来るのだ。





例をいくつかあげたところで入門編は終了だ。とにかく一部のカード及び対戦相手に刺さるカードであればあるほどエイスリオスで戻ってきやすくなるので、周囲の環境や好み次第で《生命散らしのゾンビ》や、《ブレンタンの炉の世話人》のような、よりピンポイントなものを追加するのもありだろう。
◆交渉術応用編
エイスリオスを使って所謂ヘイトベアーと呼ばれるような生き物を戻せることはわかった。しかしこれだけでは自分が勝とうとせず、対戦相手の脅威だけを止め続けるただの優しいおじさんが限界だ。そこで交渉内容にこっそりとこちらに有利な内容を盛り込んでいく方法を紹介しよう。
エイスリオスの能力を起動する時、クリーチャーは一度死亡する。そのためクリーチャーが死亡することで誘発する能力をもったパーマネントをコントロールしていた場合、交渉が成立するたびにいくらか利益を得ることができるのだ。
また、交渉の焦点がすでに墓地にある《壊死のウーズ》や《戦慄の復活》に対しての《屑山の人形》など重大なものの場合、交渉はかなりあなたに有利なものになる。あまりやりすぎると喧嘩になるような気もするが
「壊死のウーズを対象に屑山の人形を起動するつもりが私としたことが間違えて頭蓋骨締めを装備してしまった!今度こそあの憎きウーズを追放してやる!今一度チャンスを!!ああ、またしても頭蓋骨締めが勝手に… 次こそは!」
なんてのを繰り返すのもありかもしれない。
◆交渉術爆発編
ここまで様々な交渉術を紹介してきたが、今ひとつ物足りなく感じなかっただろうか?早ければ3ターン目には即死コンボが飛んできかねない統率者戦の場において1~2枚のドローやちょっとした除去などあまりに矮小。スケールが小さすぎる。というわけでこちらに用意させて頂きました即死コンボ。
これライフ払えば普通にとまるよね?と思ったあなた、思い出してください今までの交渉術を。そう、《血の芸術家》の能力でライフを全て失うプレイヤーが他のプレイヤーにとって今すぐ退場してほしいプレイヤーであった場合、こんな無茶な交渉もまかり通ってしまうのだ。
《親身の教示者》で《むかつき》を積んでターンを終えた5色ジェネラルのプレイヤー・《生き埋め》を打って墓地にカードを揃えた《擬態の原形質》のプレイヤー・なんかもうすごい量のマナがでてしまっている緑系のプレイヤーetc... ターンを返したらそのままゲームが終わってしまうようなプレイヤーを退場させるためなら、我々は団結できるのだ!
◆交渉術超新星爆発編
と、団結することで生まれる力に触れましたがそんなものはまやかしです。
今すぐ裏切りましょう。
まず、《血の芸術家》ループで一人のプレイヤーのライフが2以下になった場合、あなたの勝ちが確定します。ライフ2以下のプレイヤーはエイスリオスの要求する3ライフが払えないため、交渉せずともクリーチャーが墓地から帰ってくるようになる。つまり全員のライフが0になるまで搭載歩行機械や果てしなきものを墓地に送ることができるのだ。
次に交渉相手が賢く、この取引の危険性に気づいてなんとしてでも退場させたいプレイヤーのライフが4未満になったところでループを止めた場合だが、この場合は《苦悶の触手》が有効だ。こっそりと大量に溜まっていたストームで奇襲をかけよう。
◆交渉術暴力編
交渉の成否を決めるのは何もその内容だけではない。人類の歴史がそうであったように、圧倒的な暴力は著しく不平等な交渉を可能にするのだ。
先ほどと同様に、手段がどうであれライフが3以下になってしまえば選択肢はなくなり、相手はあなたの要求が如何に理不尽なものであろうと飲まざるを得なくなってしまうのだ。
以上、ぶるじょわ式交渉術でした。喧嘩にならない程度にご活用ください。